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しかし彼女は嬉しそうに口にする

はこの仕事をやりたいのだろう。  彼女の言葉は、本当にリリューに向けられたものだと思っているのか。 「……では、お願いします」  彼は、エンチェルクに託した。  www.banwu.org  この二人の関係を、リリューが理解するには、相当な時間が必要なように思えたのだった。 二人の時間 ∴  ハレが、東翼の自分の部屋に戻ると。  美しい、長い長い尾羽が一本、テーブルの上に置いてあった。  胸が騒いで、彼がバルコニーへと足早に近づくと。 「こんばんは、ハレイルーシュリクス」  手すりの上に腰かけて、足をぶらぶらとしている女性がいた。  また、外から登ってきたようだ。 バーバリーブルーレーベル  誰が一体、そんな俗な知識を、彼女に教えたのか。 「ト……お父さんが、駄目だって」  まだ、トーのことを父と呼ぶのは恥ずかしいようだ。  慣れないその言葉を、しかし彼女は嬉しそうに口にする。  額を押さえるのは、ハレだ。  ああ、そう。  この世の父親が、娘を嫁に出したくないのと同じように、トーもまた娘同然の彼女に釘を刺したのだ。 「時間はたくさんあるから、焦らずゆっくり考えなさいって」  そう語る、彼女の声は同じほどゆったりとしている。  確かに。  月の魔法を使える者は、無茶な使い方をしなければ、非常に長く生きられるだろう。 ダウンジャケット  けれど。 「でも……ここなら部屋じゃないし……大丈夫だよね?」  バルコニーの手すりの上。  ハレに会うことを楽しみに来た女性の、はにかんだ微笑みを見ていると。 「そう
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