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しかし彼女は嬉しそうに口にする

はこの仕事をやりたいのだろう。  彼女の言葉は、本当にリリューに向けられたものだと思っているのか。 「……では、お願いします」  彼は、エンチェルクに託した。  www.banwu.org  この二人の関係を、リリューが理解するには、相当な時間が必要なように思えたのだった。 二人の時間 ∴  ハレが、東翼の自分の部屋に戻ると。  美しい、長い長い尾羽が一本、テーブルの上に置いてあった。  胸が騒いで、彼がバルコニーへと足早に近づくと。 「こんばんは、ハレイルーシュリクス」  手すりの上に腰かけて、足をぶらぶらとしている女性がいた。  また、外から登ってきたようだ。 バーバリーブルーレーベル  誰が一体、そんな俗な知識を、彼女に教えたのか。 「ト……お父さんが、駄目だって」  まだ、トーのことを父と呼ぶのは恥ずかしいようだ。  慣れないその言葉を、しかし彼女は嬉しそうに口にする。  額を押さえるのは、ハレだ。  ああ、そう。  この世の父親が、娘を嫁に出したくないのと同じように、トーもまた娘同然の彼女に釘を刺したのだ。 「時間はたくさんあるから、焦らずゆっくり考えなさいって」  そう語る、彼女の声は同じほどゆったりとしている。  確かに。  月の魔法を使える者は、無茶な使い方をしなければ、非常に長く生きられるだろう。 ダウンジャケット  けれど。 「でも……ここなら部屋じゃないし……大丈夫だよね?」  バルコニーの手すりの上。  ハレに会うことを楽しみに来た女性の、はにかんだ微笑みを見ていると。 「そう
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レチというのは

、モモとヤイクを信じて、待つ時だ。 「ああ、まるで夢のようだわ。やはり、ここは太陽の都ね……足も出来るし、ロジアにも会えるなんて」  願い事が、全部かなうなんて。  そんなテテラの言葉に、エンチェルクはこう思った。  願いは、かなったんじゃない。  皆でロジアを生かして連れ出し、モモとリリューがテテラを連れて戻り、ウメとキクが彼女の足を作る手はずを整えて、ついに再会したこと。 www.banwu.org  武の賢者宅の使用人が、手紙を片手に道場へと駆けてきた。  イーザスは去り、エインと伯母と今後のことを話し合っている時のこと。 「何事だ?」  エンチェルクからという手紙を受け取ると、伯母はさっと開いた。  文面に目を通したが、その表情に驚きはない。 バーバリーブルーレーベル  レチというのは、リリューを追って弟と一緒に都に来た女性だ。  ほとんど顔を合わせていないし、話をしたことはないが、それくらいは聞いていた。 「今頃、リサーは……はっはっは……さぞや、遣いのものを怒鳴りつけていることだろうよ」  天の賢者を捕まえてリサー呼ばわりしながら、彼女はひとしきり笑い続けた。 「さて……」  その笑いから立ち直りながら、伯母は使用人に「まもなく帰るとつたえてくれ」と言って帰した。 「賢明なエンチェルクのおかげで、話がまとめられそうだ」 ダウンジャケット 。  この、男手の足りない都で、より安全性を高めるには、力を分散させないこと。  そう、伯母は考えたのだろう。 「すぐ支度します」  家から答えたのは、テテラだった。  少し距離があるため、母に

も答えておいてください

である空間に自ら足を踏み入れる事など今まで無かったからだ。 平然としているのは、こんなもの慣れっこどころか暗黒街など自分の庭の様なものである暗殺者3名と、その暗殺者が自分を守ってくれると信じて疑わない、おめでたいランカスター家の長女だけだった。残る者は、当然カレンも含め、今からでも引き返したかった。 www.banwu.org  「大所帯で歩くと目立ちます。悪目立ちは、命取りですから……。俺達3人と、ミティア様、カレン様で動きます。皆さんは、最大でも4人までの組に分かれて、適度に距離を取りながら付いてきてください。 話しかけられる事は、まずないでしょうが……万が一、何か聞かれたら黙秘するよう指示されているとでも答えておいてください。一番安全です」 幾らか、擬装であるが丁寧な調子を取り戻してレピュスは指示を出した。 カレンを除けば、最も若輩なのだが、最も場数をこなしているのは彼なのだった。ラズも、ウォーレンも今回レピュスが取り仕切る事において一切の文句は無い。仕事が減ってラッキーくらいに思っているかも知れない……。 「それから、最後の注意ですが、固有名詞は使わないように。必要な時は、俺の事はレイ、ウォーレンはウィル、ラズはイラスと呼んでください」 最後にして、最も大切な注意である。バーバリーブルーレーベル 3人は、世間一般にしてみればどこぞの若者達だが、裏社会に一歩入れば主要組織のメンバーとして赤丸チェックを受ける身分なのだ。  車を止めたところから、バラバラとなって暗黒街に入る。 「必要以上に口を開かないこと」 レピュスの注意を聞き入れ、来るまでは煩かったミティアもきちんと黙っていたので静かな移動だった。すれ違う者達は、少し不思議がるような目を向けるが、令嬢2人はすっぽり顔をフードに覆っている為、妙に目立つ事にはなっていない。  暗く、ごみごみした通りを進む内に、段々人声が聞こえてきた。騒々しいとも云える、何十……いや何百もの話し声。 「あれが会場です」ダウンジャケット 先頭を歩いていたウォーレンが、低い声で云った。 ポッカリと開けた場所にある、巨大なテント。中でサーカスでも出来そうな広さである。しかし、その色はとてもサーカステントとは間違えようもない。中の一切が見えない、黒い布のテントであった。入り口にはもぎりではなく、窮屈そうに黒スーツを着た、大きいというより巨大な男が2人立ち並んでいる。外で、または中で何か問題を起こそうものな

承知致しました

ったんだ。判ってたから怖い顔してたんじゃなかったのか」 「や、やだっ、怖い顔してた!? じゃあ、あの、ロデオさんとは……」 「は?」 「ロデオさんは今どこに!?」 レピュスは奇妙な質問だなと思いながらも答える。 「知らないけど……多分、婚約者のとこかな」 イリスがほうっと息をついて肩を下ろしたので、レピュスはますます首を傾げた。 www.banwu.org  それからは、やけに上機嫌でハイテンションのイリスに引っ張り回されて任務に負けじとくたびれたレピュスだった。ルシエル女公爵  アイリスという国の首都、カトレア。気候が安定する事の少ないこの街らしく、今日も曇り空が時折雨水を滴らせる。カトレア南部にアレクシル家の町屋敷《タウンハウス》がある。アレクシル家の当主は現在14歳の少女、ルシエル?アレクシル女公爵。早くに父母を亡くした彼女は、周囲の反対を押し切り父の爵位を継ぐと、数年の内にまるで何十年とそれに携わってきたかのようにあらゆる仕事をこなすようになった。表の仕事も、裏の仕事も。 バーバリーブルーレーベル この屋敷を一切仕切る執事は、目立つ美しい容姿をした東方の人である。 「はい。ルシエル様」 優雅な微笑みを宿して、ユウは女主人を振り返った。  14歳のルシエルの姿は、まだ中性的なものである。服も、日常では女性らしいものを好まず、今もきっちりとしたワイシャツにチェック柄のベスト、黒地のロングパンツを着用している。茶色の髪も貴族令嬢が多くそうするように巻いたり、豪華な髪飾りでまとめ上げる事をせずまっすぐ背中に垂らしている。 「カリギュラの事だが」 「……どうなさるお積もりで?」 ユウは、声を低めて囁くように主に問いかけた。 「みすみす、やられはしない。 あの狸、我々を鍵を開ける捨て駒にするつもりだ。そして何より、近い内にルール違反を起こす。 ……私は、先手必勝を信じるのだが」ダウンジャケット ルシエルの言わんとする事を察し、ユエは微笑んだ。 人形のように美しい青い瞳の顔を持ちながら抜け目なく、時に荒々しいこの小さき女主人がユウは好きなのである。 「あの組織の立場をまず確認する。ユウ、手配を」 「承知致しました。 お召し物はどうなさいますか?」 「任せる。選んでおけ」 「かしこまりました」  女公爵としてのルシエル、そしてダーク?ペガサス幹部としてのルシエル、どちらも知るのはユウだけである。屋敷では、有能な執事として裏社

苦笑しつつシファンは応じた

はあっさりそう言うと、中へ踏み出した。  黒いペガサスのタペストリーが飾られた聖堂を突っ切り、階段を上がる。途中に出会うカリギュラの部下達は、シファンを中心に簡単に打ち倒していく。シファンの武器は細身の西洋剣である。また、時にはルシエルも細腕で拳銃を使いこなして戦闘に加わる。  「2手に別れる。シファンと第一部隊は私と来い。 我々が動きを止めている間、残りはなるべく敵を引きつけておけ。出来るだけ短時間で片付けたい」 各隊長が丁寧な一礼で応じ、言われたように動き出す。ルシエル達は、先程占領した一室に身を潜めた。すぐさま、轟音が聞こえてくる。 「……ランの奴が調子に乗ってるな」www.banwu.org ルシエルは呟いた。ダーク?ペガサスとしての部下から、一転、アレクシル家の部下に転向した1人。……爆発物が大好きな人物である。 「厭でも殆どを引きつける事でしょう」 苦笑しつつシファンは応じた。 戦力差にものを言わせすぎですね(汗)記念すべき100話目は……主人公出て来ません(汗)。  屋敷の裏に停められた車からケイが姿を現した。いつも通り、武器は1つも持たず黒基調のラフな格好をしている。組織の幹部を暗殺に来たとは思えぬリラックスした様子で裏口から内部へ。……リラックスして当然である。この屋敷には、ターゲット以外に彼の敵はいないのだから。  「お待ちしていました」 サージェンがケイを迎えた。バーバリーブルーレーベル 「ははっ、それもおかしな台詞だぜ。お前、いつからカリギュラのパシリやってたんだ?」 「はじめからですよ」 ひゅう、とケイは口笛を鳴らして--固まった。 「まさか、ユウまでなんてこたあ……」 「それでは何か、あなたに不都合な事でも?」 「いや、なんつーか似合わねえなと」 サージェンは良く判らない、という表情をしつつ 「まあ、そういった話は聞きませんね」 と返答した。 ダウンジャケット  ケイはガレリアが嫌いである。自分の意思を持たず、幹部でありながらカリギュラに隷属しているつまらない男。サージェンも好きではない。物事を利益でしか考えぬ、つまらない男。  その点、カリギュラと対立する--ゆくゆくは処分するために重役にまで上りつめたルシエルは面白い。ユウは同国人ということもあるし、彼の一本気な性質がかなり好きだ。

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