影から彼を見つめているリリーがこっちを向く前に玄関を閉めた。 洗いものや洗濯を済ませ、窓からリリーが帰ったのを確認すると、私は宮廷書庫に向かった。 「確認いたしました。どうぞ」
www.ineedtomakecashmoneynow.com ルイは日中だと真面目な兵士だ。仕事が終わりに近づくと途端に崩れるが。でも今はトニーに会いたい。気分が滅入っている時は、あの素直な少年に癒されたい。なんて本当に言ったら迷惑がられるかな。 中に入り、昨日と同じ棚へ行こうとして、ふと足を止めた。あの建国史に書かれていた一部を思い出したのだ。あれには"異界とこの世界を繋ぐことに成功"、そしてそこから"異界人を引き込んだ" と書かれていたはずだ。ということは、世界と世界を繋ぐことさえできれば、そこを通って帰ることができるんじゃないだろうか。今回世界を繋いだのはバリオスさんだが、彼は命令には逆らえないから、もう一度やってほしいと言っても、困らせるだけだというのは想像がつく。バリオスさんが駄目なら自分でやるしかない。彼は確か、文献を参考に禁術となっていた召喚術を、自分で組み立てたはず。それは魔術の仕組みさえ理解すれば、応用で術が発動するという証拠だ。まずは魔術について基本的なことが書いてあるものを探そう。私に魔力があるとは思えないけど、その時は最悪バリオスさんの名前を|謀(たばか)って、彼の部下を何人か捕まえてやるだけだ。
バーバリーブラックレーベル 「我ながら素晴らしい発想の転換だわ」 名案を思い付いたのに、書庫でたった一人だったから、自分で自分を誉めておいた。 「もう閉館だよ」 急に声をかけられ、顔を上げると、ルイがいつの間にか隣にいた。 「ああ、ごめんなさい。つい夢中になっちゃって……」 入口の方を見ると、恐面が呆れたようにこちらを|一瞥(いちべつ)し、去るところだった。きっと昨日のように仕事が終わったことを報告に行くのだろう。
ファッション 通販 「魔術の勉強をしてるのかい?」 ルイは私が片付けようとしている本をチラッと見て言った。 「ええ、まあ。エンダストリアは魔術が優れていると聞いたもので」 咄嗟に建国史で読んだ情報で答えた。彼が入ってくるのが昨日じゃなくて良かった。外国人が異国の王宮に入って王族の伝承なんて探ってたら、怪しいことこの上ない。 「そんな難しい本読んで解る?」 「いえ、実はあまり……」 そうなのだ。魔術に長けた国の宮廷書庫に、初心者向け
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